2024-08-11

山を愛する雑誌

「山と渓谷」と「岳人」は、日本の山岳雑誌の二大巨頭として、多くの登山愛好者や自然愛好家に愛されています。それぞれの雑誌は独自の視点と歴史を持ち、山の魅力や登山文化を伝える重要な役割を果たしています。

「山と渓谷」は、1931年に創刊されました。世界経済恐慌の影響で就職難に直面した川崎吉蔵が、「とにかく山が好き」という理由で創刊を決意したことが始まりです。当初は無名の書生が始めた小さな雑誌でしたが、創刊号は5千部が4日で売り切れるほどの人気を博しました。この雑誌は、登山史に埋もれた人物や出来事を掘り起こし、新たな光を当てることを使命としています。誌名の由来も、吉蔵が敬愛していた田部重治の著書『山と渓谷』から取られたもので、田部の影響を強く受けています。

一方、「岳人」は、戦後の混乱期に創刊されました。この雑誌は、「山と人、時代をつなぐ」というテーマを掲げ、現役クライマーから散策を楽しむハイカー、さらには一線を退いた往年の登山家まで、幅広い読者層に向けて山の魅力を伝えています。毎月15日に発売される「岳人」は、最新号で特集されるテーマが多岐にわたり、例えば2024年8月号では「信仰の山 白山」が特集されています。この特集では、白山の霊峰としての歴史や自然環境、登山ルートなどが詳しく紹介されています。

このように「山と渓谷」と「岳人」は、どちらも山の魅力を伝えることを目的としていますが、そのアプローチには違いがあります。「山と渓谷」は、登山史や文化に焦点を当て、歴史的な視点から山を探求することが多いです。一方、「岳人」は、現代の登山者の視点から山を楽しむ方法や安全面、環境問題などを取り上げることに重点を置いています。

「山と渓谷」と「岳人」は、それぞれの視点で山の魅力を伝えながら山岳文化を支えています。単なる娯楽だけでなく、登山技術の向上や自然保護の意識を高めるための貴重な情報源でもあります。

雑誌の性質上、基本的に重版はありません。今回ご紹介しました「山と渓谷」や「岳人」に限らず、芸能・アートなど、古い雑誌は、稀少価値がでる場合がございます。ご自宅に眠っている雑誌がありましたら、一度、日本古書買取センターにご相談ください。専門知識で査定し、適正な価格で買い取らせていただきます。

もし、お引越しや断捨離の整理で不要な雑誌などが出てきた際は、当センターの買取をご検討ください。

無料買取査定はこちら
買取申し込みはこちら
関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です