「ホリデーオート」:自動車雑誌が刻んだ若者文化と時代
「ホリデーオート」は、1971年に創刊され、2019年にその歴史に幕を下ろしたモーターマガジン社の自動車雑誌です。月刊で発行され、新車情報や試乗レポートを中心に、一般の読者からも高い人気を誇りました。発行部数では「ベストカー」「CARトップ」に次ぐ3位で、日本の自動車雑誌の中で重要な位置を占めていました。
★独自の視点と企画で読者を魅了★
この雑誌の特徴は、他誌にはない斬新な視点や独自の企画にあります。例えば、緊急車両、特にパトカーの特集が注目されました。2004年には、これに特化した「別冊パトカーアルバム」も発行されています。また、改造車にスポットを当てた「Oh!My街道レーサー」コーナーでは、一般読者から寄せられた個性豊かな改造車が多数紹介され、多くの支持を集めました。
★時代を映した「ハイソカー」という造語★
1980年代初頭、日本の若者の間で初代ソアラや初代クレスタといった高級感ある小型車が流行。その背景には、ホリデーオートが生み出した造語「ハイソカー」(ハイ・ソサエティー・カーの略)がありました。この言葉は、バブル経済の到来を前に、若者たちのステータスシンボルを象徴する存在となり、テレビや音楽など幅広い文化に浸透しました。高級感と手頃な価格帯のバランス、そして個性を表現できるカスタム文化が流行したことが、このムーブメントを支えました。
★文化の牽引者としての役割★
ホリデーオートは、単なる自動車雑誌を超えて、当時の若者文化や価値観を反映する存在でもありました。中森明菜や若手女優が表紙を飾るなど、アイドルカルチャーとの親和性も高く、読者層の注目を集めました。また、暴走族向け雑誌ほど過激ではないものの、彼らの改造車やライフスタイルを取り上げる記事も一定数あり、現役や元暴走族からの支持を集める一面もありました。
ホリデーオートは、自動車愛好家にとどまらず、当時の若者文化や時代の空気を伝える雑誌として、日本の自動車文化史に名を刻みました。「ハイソカー」の普及をはじめ、独自の視点とコンテンツが多くの人々に愛されました。そのバックナンバーを読み返せば、きっと懐かしい時代の記憶がよみがえることでしょう。
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