2025-07-03

ピアノ1台で人を癒す ビリー・ジョエル、魂の音楽

ビリー・ジョエル。“ピアノ・マン”の異名で知られるこのシンガーソングライターほど、多くの人の心に寄り添った音楽家は珍しいかもしれません。1949年にニューヨークで生まれたジョエルは、父親がクラシックのピアニストという環境に育ち、幼いころからピアノに親しみました。ところが10代になると、クラシックだけでは物足りなくなり、ロックバンドを組んで街のバーで演奏を始めます。まさに“ピアノを弾くロック野郎”の誕生でした。

1973年にリリースした「ピアノ・マン」は、彼の代名詞となる曲です。実はこの曲、当時彼が生計を立てるために演奏していたロサンゼルスのバーでの実体験を歌っています。酒場に集う人々の孤独や夢を、温かくも少しほろ苦いメロディに乗せて描いた名曲は、50年経った今も世界中で歌い継がれています。

面白いのは、ジョエル自身が一度も高校を卒業していないことです。試験に落ちたものの「音楽で食っていく」と腹をくくり、バンド活動に専念しました。当時、親には猛反対されたそうですが、のちに彼が築いた成功を思えば、その選択は大正解でした。

ジョエルの歌には「誰もが共感できる物語」があります。「ニューヨークの想い」や「ストレンジャー」などのヒット曲では、失恋や人間関係の機微をリアルに歌い上げます。派手な演出は少なく、派手なゴシップもほとんどない。だからこそ彼の歌詞はリスナーに真っ直ぐ届きます。

現在ビリー・ジョエルは70代半ばを迎えましたが、マディソン・スクエア・ガーデンでの定期公演を10年以上続け、すでに通算100回以上も完売させるという伝説を更新中です。愛され続ける理由は「ピアノ1台で人の心を動かす力」にあります。

忙しい日々に少し疲れたとき、ふとビリー・ジョエルの曲を聴いてみてください。まるで深夜のバーで彼のピアノに耳を傾けているような、優しい時間が流れ出すはずです。

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