ノンフィクション

『緒形拳を追いかけて』は、映画評論家である垣井道弘が、俳優・緒形拳の人物像と役者としての軌跡を丹念に描き出した一冊です。単なるインタビュー集や伝記ではなく、著者が20年もの歳月をかけて緒形拳に寄り添い、撮影現場での取材やインタビューを通し...

この本は、硫黄島玉砕戦を生き延びた人々の証言をまとめたものです。これまで語られることのなかった戦闘の実態や、極限状況下での彼らの心情が赤裸々に綴られています。戦争の記憶が風化していく中、生還者たちの言葉は、私たちに戦争の悲惨さや、平和の尊...

松本清張が膨大な資料と関係者への取材をもとに、昭和史の闇を深く掘り下げた歴史ノンフィクションの傑作です。田中義一の陸軍機密費問題から二・二六事件まで、日本の近代史における数々の謎と陰謀を克明に描き出します。歴史ミステリーとしても読み応え抜...

1972年の沖縄復帰以降、もろさわようこは沖縄の女性たちの生き方、文化、歴史に深く関わり続けてきました。本書は、そうした長年の研究と交流の成果をまとめたもので、沖縄の女性たちが持つ独自の力強さや、女性解放の原点を探求する貴重な記録です。地...

『私たちは売りたくない！ “危ないワクチン”販売を命じられた製薬会社現役社員の慟哭』は、製薬会社の現役社員たちが、危険性が指摘されるワクチンの販売を命じられた苦悩を描いたノンフィクションです。著者チームKは、同僚の死をきっかけにワクチンの...

経済評論家・森永卓郎氏が、2023年12月に膵臓がんステージ4を宣告された後、書き上げた渾身の書。四半世紀以上にわたるメディア活動で知り得た、タブーとされてきた3つの真実を明らかにします。 財務省のカルト 財政再建を唱える...

『リーマンの牢獄』は、2008年のリーマン・ショックを引き起こしたリーマン・ブラザーズ日本法人の元幹部、齋藤栄功氏による告白録です。著者は金融界で辣腕を振るい業績を上げるも、虚偽の資金保証による巨額出資話に関与し投獄されました。本書では、...

『天路の旅人』は、沢木耕太郎が第二次世界大戦末期に中国大陸奥地に潜入した密偵、西川一三の壮絶な旅と人生を描いたノンフィクションです。西川はラマ僧に扮し、幾度も死線を越えながらも未知の世界を探求し続けました。沢木は西川の著作と一年間の徹底的...

「ある行旅死亡人の物語」は、身元不明の女性が孤独死した事件を取材したルポルタージュです。女性が遺留した現金3400万円、星形マークのペンダント、数十枚の写真、珍しい姓を刻んだ印鑑などから、記者たちは身元調査に乗り出します。舞台は尼崎から広島...

『くもをさがす』は、2021年コロナ禍の最中、滞在先のカナダで浸潤性乳管がんを宣告された著者が、乳がん発覚から治療を終えるまでの約8ヶ月間を克明に描いたノンフィクション作品です。著者の西加奈子さんは、祈りと決意に満ちた初のノンフィクション作...